Billboard JAPAN


NEWS

2024/05/16

<ライブレポート>NAQT VANE(澤野弘之&Harukaze)1stアルバム『Dispersion』全曲披露イベントに新ボーカル・Yunoa登場! 圧倒的な空間支配力を誇るハーモニー

 様々な映像作品の音楽を手掛け、SawanoHiroyuki[nZk]の活動でも注目を集め続けている澤野弘之。そんな彼が「常に夢中にさせてくれるボーカリスト」と絶賛する新人シンガー・Harukaze。さらに独創的なアートワークを手掛けるクリエイティブコレクティブ・Classic 6と、多種多様な才能の重なりによって発足した音楽プロジェクト・NAQT VANE(ナクトベイン)が、5月11日(土)渋谷 duo MUSIC EXCHANGEにて【NAQT VANE Special Event - Dispersion -】を開催した。

<宣言通りのライブとなった「忘れられない夜」>

 「NAQT VANEを通じて感じた愛や希望、応援、挑戦者たちの熱い野望。アルバムを通じて沢山の新しいVANEsにも出逢えました。たくさんの思いを、アルバム全曲披露という形で、みなさんにお届けする一夜限りの夜です。1曲1曲、魂を込めて歌うこのステージが見れるのは一度きり。絶対に忘れられない夜にします。終わった後に、何かにまたチャレンジしたくなるような、そんなパワフルな夜にします。一緒にDispersionを輝かせましょう!」

 同イベントの告知の際に寄せられたHarukazeのコメント。その宣言通りの内容となった「忘れられない夜」をここにレポートする。今年1月にリリースした1stフルアルバム『Dispersion』初の全曲披露の場として用意されたステージには、Harukazeと澤野弘之に加えてバンドメンバーとして飯室博(g)と田辺トシノ(b,contrabass)も登場。

 アルバム『Dispersion』の最初を飾るオーバーチュア的な表題曲を幻想的に響かせ、その流れで軽快なアコースティックギターのリズムに乗せて歌い出したナンバーは「NOWVERSE」。民族音楽的なフェスティバル感も漂うサウンドの上で、Harukazeの「この瞬間をずっと待ち侘びていた!」と言わんばかりの歓喜に満ちた跳ねるボーカルが会場中を一気に扇情していく。そして「盛り上がる準備出来てるかぁー!」と煽られ興奮気味に叫ぶ超満員のVANEs(NAQT VANEファンの呼称)の声を浴びながら「Loopers」「Vanilla Days」「Odd One Out」と、澤野弘之にしか生み出せない多種多様なダンスミュージック、聴く者を鼓舞する為のサウンドとボーカルを畳み掛けていけば、音楽と完全一体化した人々の美しい光景が眼前に広がっていく。

<Live as if today's the last day to live 今日が最後の日だと思って生きよう>

 満面の笑みで溢れる客席を眺めながら「会えて嬉しいですよ! NAQT VANEのイベントとしては1年ぶりということで、こうやって皆さんと一緒にDispersionできることをとても楽しみにしていました!」と喜びつつ、「1月に『Dispersion』というアルバムを出してからもう4か月経つんですけど、たくさん聴いて下さいましたか? このアルバムは「それぞれの捉え方で聴いて下さい」という話をずっとしていたと思うんですけど、そうやって『Dispersion』を聴いてくれたひとりひとりが光となってここに集まってくれたので、アルバムのように光ってキラキラするそんな一夜に出来ればいいなと思っています」と語るHarukaze。

 そして、VANEsとのコミュニケーションの中で、東京含む関東圏はもちろん、大阪や宮城、福岡、札幌、さらには中国から来た海外勢もここに集結していることが分かると、そんな国内のみならず世界中の愛すべき仲間たちへ向けてバラード「NIGHTINGALE」を披露する。澤野が奏でるピアノの音色に寄り添うように響き渡る、穏やかながらも確固たる強い意思と「ひらすらに継なぐ鼓動」を感じさせるその歌声に誰もが飲み込まれていく。その後も「puzzle」「Break Free」と心の深いところまで染み渡っていく低音から爆発的なエモーションを感じさせる高音まで、この空間を完全掌握していくボーカル。1年前より明らかに卓越した表現力に驚かされた者も多かったことだろう。

 「Live as if today's the last day to live 今日が最後の日だと思って生きよう。この歌(「Break Free」)を歌い始めてから、自分が挫けそうなときに唱えるようにしている言葉。NAQT VANEは、挑戦者に追い風を吹かせる目的で活動してきたんですけど、自分自身も挑戦者で。その中で挫折しそうになるときや「悔しい」と思うときもあるけど、諦めそうになっても「今日が最後の日だ」と思ってもう1回挑戦すれば上手くいくかもしれない。そう思って自分も頑張れているので、皆さんもぜひこの言葉を大切に聴いて頂ければと思います」

<次なるフェーズへ! Harukaze×Yunoaのツインボーカル体制>

 そして、客席を3チームに分けたりしながら、VANEs全員の喉が完全に開くまで叫ばせ続けてテンションがMAXになったところで、「CHRONIC」「Ditty」「TOUCH」「VANE」「Reminiscing」「Rust」と全6曲をノンストップで畳み掛け。今思えば、これがHarukazeのワンボーカル体制最後のブロックになったわけだが(詳細は後述)、澤野弘之との想定外の出逢いからNAQT VANEのボーカリストしてメジャーデビュー。「子供の頃からの夢である、世界一のエンターテイナー」を目標に掲げながらも、初めての体験だらけの活動に緊張や重圧を感じ、それでもひたすらステージに立ち続け、確実にレベルアップしながら、VANEsとの絆も深めながら、約2年間ひとりでNAQT VANEの顔として歌い続けてきた──その日々がすべての楽曲に乗ったライブを届けていたように思う。

 そんなHarukazeのひとつの集大成とも言えるブロックを駆け抜けると、澤野が「実はですね、今日このイベントでお知らせがありまして。NAQT VANEは挑戦をテーマに活動しているんですけど、プロジェクトという形だからいろんな広がりをつくることができる。Harukazeはもちろん、Classic 6にも参加してもらったり。そして、今後もそうした広がりでよりいろんなことに挑戦していきたいと思っている中で、また可能性を広げていけるようなひとりのボーカリストに出逢いまして……」と語り、Harukazeの呼び込みによって新ボーカリスト・Yunoa(ユノア)がステージに登場。そのまま「Beautiful Mess」をふたりで歌い始めたのだが、Harukazeの未来に突き進んでいく意思を感じさせるハイトーンと、Yunoaの全くタイプの異なる魅力的な低音ボーカルが見事に絡み合い、新体制1曲目のパフォーマンスにも関わらず、会場一体となったシンガロングを巻きこすほどの盛り上がりを生んでみせた。

<Harukaze×Yunoa体制の新作に全国インストアライブ決定>

 「はじめまして、Yunoaです。憶えづらい名前なんですけど、憶えて帰って下さい。私、実はアーティストとして生き始めてから2か月も経ってなくって。NAQT VANEに入って今日から活動していく感じなんですけど……優しくしてください(笑)」「ウェルカムの拍手をYunoaに!」──突然の新体制お披露目だったが、澤野の言う通り「可能性を広げていける」と確信させるふたりのパフォーマンスに大きな拍手と歓声が贈られていた。Harukazeの生歌を初めて聴いたときも驚いたが、プロ経験のない歌い手の眠らせた才能を開花させる手腕。澤野弘之のプロデュース能力には脱帽である。「これから表現できることも増えると思うので。本当に皆さんに温かく迎えて頂いてありがとうございます!」

 なお、NAQT VANEは、6月末よりHarukaze×Yunoaのふたりで全国をインストアライブでまわることが決定。そして、9月20日には、新体制後初となるニューシングルをリリースする(いずれも詳細は後日発表)。そんな新フェーズ突入を祝うように「NOWVERSE」が今一度披露された。しかも、Yunoaのボーカルとラップを加えた新バージョンで。国内最高峰の音楽アニメ『キャロル&チューズデイ』のふたりじゃないが、それぞれに聴き手の琴線に触れる卓越した歌唱力と個性を持ち合わせながら、その声が重なると圧倒的な空間支配力を誇るハーモニーが完成するといった、とんでもない音楽プロジェクトに進化したことを実感させるライブだった。

 客席から飛び交う「凄い!」「格好良い!」といった感想の声。最後にクロージングナンバーとして流れていた「Unveil」を聴きながら、今後のNAQT VANEを聴かずに音楽は語れないと、Harukaze×Yunoaそれぞれの生き様が澤野弘之の創作にどんな影響を与えるのか楽しみで仕方ないと、私だけじゃなく誰もが様々な想いを駆け巡らせていたことだろう。ここから始まる新たなNAQT VANEのストーリー。まずは前述した全国でのインストアライブとニューシングルにぜひ注目してもらいたい。

取材&テキスト:平賀哲雄

◎ライブ【NAQT VANE Special Event - Dispersion -】
2024年5月11日(土)渋谷 duo MUSIC EXCHANGE セットリスト:
01.Dispersion
02.NOWVERSE
03.Loopers
04.Vanilla Days
05.Odd One Out
MC
06.NIGHTINGALE
07.puzzle
08.Break Free
MC
09.CHRONIC
10.Ditty
11.TOUCH
12.VANE
13.Reminiscing
14.Rust
MC
15.Beautiful Mess
16.NOWVERSE
17.Unveil

◎映像配信情報
【NAQT VANE Special Event - Dispersion -】アーカイブ配信中
https://x.gd/V0lKv
※5月18日(土)23:59まで

◎リリース情報 ※新体制にて新曲リリース決定
「タイトル未定」
2024/9/20 RELEASE

◎イベント日程
【Harukaze&Yunoa 全国インストアイベント】
2024年6月29日(土) 宮城県某所
2024年6月30日(日) 北海道某所
2024年7月6日(土) 大阪府某所
2024年7月7日(日) 愛知県某所
※詳細は追ってオフィシャルサイトにて発表

NAQT VANE その他の画像・最新情報へ

関連商品

TVドラマ 牙狼音楽集
(オリジナル・サウンドトラック) BUDDY ZOO 澤野弘之 栗山善親 TRY FORCE JAM Project 京本政樹「TVドラマ 牙狼音楽集」

2006/04/26

[CD]

¥3,143(税込)

TVドラマ 牙狼音楽集
(オリジナル・サウンドトラック) BUDDY ZOO 澤野弘之 栗山善親 TRY FORCE JAM Project 京本政樹「TVドラマ 牙狼音楽集」

2006/04/26

[CD]

¥3,143(税込)

ムジカ
澤野弘之「ムジカ」

2009/07/15

[CD]

¥2,619(税込)

TVドラマ 牙狼音楽集
(オリジナル・サウンドトラック) BUDDY ZOO 澤野弘之 栗山善親 TRY FORCE JAM Project 京本政樹「TVドラマ 牙狼音楽集」

2006/04/26

[CD]

¥3,143(税込)

TVドラマ 牙狼音楽集
(オリジナル・サウンドトラック) BUDDY ZOO 澤野弘之 栗山善親 TRY FORCE JAM Project 京本政樹「TVドラマ 牙狼音楽集」

2006/04/26

[CD]

¥3,143(税込)

ACCESS RANKING

アクセスランキング

  1. 1

    <インタビュー>WANIMA、新体制でも変わらない届けたいメッセージ

  2. 2

    藤井 風、8/24日産スタジアム公演をYouTube生中継 バンドメンバーも発表

  3. 3

    <ライブレポート>星野源、8年ぶりのロッキン出演【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024】

  4. 4

    BE:FIRSTが初のドームツアーへ、初の東京ドーム公演はパッケージ化

  5. 5

    【先ヨミ・デジタル】BE:FIRST「Blissful」がミセス/結束バンドを押さえ首位独走中 

HOT IMAGES

注目の画像